エコーキャンセラー機能 テレビ会議の技術紹介

2015年10月6日

yo-ho

今では当たり前すぎて気がつかないテレビ会議にとっては空気のような機能にエコーキャンセラーという機能があります。

ちょっと考えてみましょう。

テレビ会議をしているとき、相手はテレビでこちらの映像を見て、こちらの声を聞いて話をしています。相手の目の前にはマイクがあります。当然相手の声がこちらに伝わってきます。

でも、テレビから出ているはずのこちらの声は?
聞こえませんよね。

これを実現しているのが「エコーキャンセラー」機能です。
今では各メーカーとも性能が上がってほぼ自然なので気がつきませんが、以前は性能に結構差があり、エコーキャンセラーの性能がいいのが売りになっていたりしました。

それでは「エコーキャンセラー」とはどういうことをしているのでしょうか。

こちらの声を相手がテレビモニタのスピーカーから聞く前に、相手側のテレビ会議システムを通っていますよね。(テレビ会議システムからテレビモニタに音声出力しています)その際に出力する音声(の波形)を記憶しておきます。

そのテレビモニタからの音声を同じテレビ会議システムのマイクが拾ってテレビ会議システム本体に届きます。その際にマイクから拾った音声から直前に出力した音声を取り除いて相手に送っています。

さらっと説明しましたが、簡単な機能ではありません。音声ですからスピーカーから出た音がマイクで拾われるまでほんのわずかですがタイムラグがあります。(秒速340mくらいですから、3.4mだったら0.01秒くらい)

これはテレビモニタとマイクの距離によって違いますし、「マイクが複数あったら?」「壁に跳ね返ってきた音声を拾ったら?」などととっても複雑です。

もちろんテレビ会議システムに「マイクがどこにあるか?」「壁の音の反響度は?」などわかるわけがありませんが、最初に自分で少し学習をします。どうしているのかは私もよく知りませんが出力した音声とマイクから拾った音声を比較しているのだと思います。

複雑な機能なので、昔はイケていないメーカーの機器だと、音声くぐもったりノイズが入ったりしていましたが、今販売されている機器についてはどれもたいては問題なくなりました。

非常に優れている技術ですが、まさに縁の下の力持ち的なエコーキャンセラー。
普段は意識しませんが、「そんなことやってるんだ」とあらためてテレビ会議を見てみませんか。

 

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