店長のテレビ会議20年 -其の7-  恐るべし、MCU(多地点接続装置) その4

完全に息も絶え絶えのサービスという状況でしたが、利用いただいている多くのお客様からみても既になくてはならないサービスとなっていました。

1台数千万円もするサーバなど買う訳にはいかない大多数のお客様にとって他に選択肢がなかったのです。サービス提供をしている会社は他になく、お客様からも「他に乗り換えられるならすぐにサービスの利用をやめたい。」と言われてしまっていました。

メーカーのエンジニアが来ても何にも解決してくれませんでしたが、一刻の猶予もありません。毎日お客様が使ってくれているのですから。

運営している我々にもいくつかのことがわかってきました。MCUの不具合が起きるにはいくつかの条件がありました。

(1)会議の開始と終了が重なったときに不具合が発生しやすい

MCUはお客様の会議の予約時間に合わせてスケジュールを作成していました。10時開始で10時50分終了の予約が入っていたら、余裕を見てMCUは9時55分開始で、10時55分終了というように。

そこに別のお客様が11時から12時までの会議予約が入っていると10時55分は前の会議の終了と後の会議の開始が同時刻に行われます。この様なパターンで会議が開始・終了した際にMCUの不具合が発生することがありました。

そこで、会議開始と終了が重ならないようにお客様の会議予約時間の前後5分というタイミングを見直し、会議開始は毎時25分と55分に、会議終了は毎時5分と35分にと運用方法を変更しました。

(2)同時開催の会議数が多いと不具合が発生しやすい

MCUは同時最大で40拠点の会議ができる仕様でした。これを複数のお客様に割り当てて利用いただいていましたが、当時はISDN回線を利用するサービスのため、お客様がアクセスポイントまで電話をかける費用を抑えるためにお客様の東京のオフィスは東京のMCUに、大阪のオフィスは大阪のMCUにつないでもらい、その間をつなぐというやり方でサービス提供をしていました。

しかし、この方法だと一つのMCUに多くのお客様が細切れにつなぐ形になり、同時開催の会議数が多い場合には10以上になっていました。

経験的に同時に7つ以上の会議が走っていると不具合が発生しやすいように考えられたため、同時会議数は6以下になるように運用の変更をしました。

その場合には大阪のオフィスも名古屋のオフィスも東京のMCUに接続してもらう場合が出てくるのでお客様のアクセスポイントまでの電話代がかなり高額になります。ここは、電話代の差額を負担することによりお客様に了解いただくこととしました。

(3)MCUを運用し続けると不具合が発生しやすい

それまではMCUの電源は上げっぱなしで運用していましたが、毎晩リブートをかけることにしました。

他にもいろいろな事を積み重ねて、MCUの不具合が大発生してから2ヶ月後くらいにはかなり不具合の発生率を抑える事ができるようになってきました。

しかし、目の前には最大の難関が待ち受けていました。一年で最大のイベントである、「社長年頭のあいさつ」です。

テレビ会議を導入した多くの会社ではせっかくのテレビ会議システムを利用して全国のオフィスをつないだ年始の行事を行っていました。1月4日や5日の朝8時、9時開始といった会議で、お客様各社が大変大事にしている会議です。

予約も殺到して稼ぎ時とも言えますが、この時ばかりは効率性度外視で入念な準備・対応をしています。予約の設定は何回もチェックし、会議中に何かあった場合のバックアップ体制整備や練習を行ってサポートに臨んでいます。

とはいえ、どんなに入念に準備をしてもMCUの不具合が発生したら会議はいったん切れてしまうのです。お客様にどれだけ迷惑をかけてしまうか、十分すぎるほどわかっていた私たちにとって、「かなり不具合が減ってきた」程度で臨めるわけがありません。

時期はもう10月。待ったありませんでした。

つづく。

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