コネクタの接続には注意が必要です。

2019年3月15日

メニューが出てきません。

先日お客様から問い合わせをもらいました。
「モニタを2台接続して使っているのですがどちらにもメニューが出てこないです。」

ご利用されているのはTANDBERG Edge95という機種。TANDBERG社は10年程前にCisco社に買収されたノルウェーのテレビ会議システムのメーカーで、日本ではPolycom社に押されていましたが、全世界ではPolycomとシェア1、2を争う有力メーカーでした。

その中でもEdge95という機種は一般的な会議室で利用する機器としてはグレードも高く、大変人気のあった機種でした。HDに対応しているし、モニタも2面利用できるし、資料共有もできて、オプションで多地点接続機能もある、というまさに1台あれば安心、という機種です。発売後10年以上経ちますが、今でもあちこちでバリバリ使われているというそんな機種です。

「モニタにメニュー画面が出てこない」という不具合は出力がセカンドモニタ用の設定になっているか、ビデオ録画用出力にモニタを接続しているか、のいずれかと思われました。

お客様にどのような接続で利用されているかを確認したところ、1つの画面をHDMIでテレビに接続して、もう1つの画面は黄色の端子に接続しているが両方ともメニューが出ないとのこと。

念のため当方でも実機を確認しながら対応していたので見てみると、接続している背面はこんな感じです。

まあ、ぱっと見でも何か間違えてもおかしくない感じですね。

HDMIの端子はないのでDVI端子に変換ケーブルをつないで1台のモニタに接続していると思われます。

DVI出力は設定で1台目のモニタ(メニューが表示される)として利用するか、2台目のモニタ(主に相手側のPC資料を表示したりする)として利用するかを切り替える仕様ですので、おそらく2台目のモニタとして設定していると思われます。

もう一台のモニタは黄色の端子に接続しているとのことですが、黄色の端子は4つもあります。。
2つは入力用で2つは出力用なのでそこを間違えているとそもそも出力しないので、出力用の端子につないでいるのは間違いありません。

出力用の端子の口には「Single」と「Dual」と書いてあります。わかりにくですが、モニタ出力設定を1台にしたときはSingleで、2台にしたときの2台目がDualということだと思いますが、「Dual」とだけ見ると2台つなぐときはこちらにつなぐと勘違いしてもおかしくないですね。

おそらく「Dual」に接続しているのではないかと思い、もう一つの黄色の端子に接続してもらうと無事に「メニューが出ました」とのことでした。

配線はいじらないのが無難ですが

機種にもよりますが、配線は相当に慣れていないと間違えてもおかしくないですのでいじらないのが無難です。(私でも時々間違います。さすがにすぐに気が付きますが)

また、通常はコネクタによっては上下逆に挿した場合には動作しないにもかかわらず挿さってしまうというこまったものもあります。
詳細はこちら⇒「このコネクタはなんとかしてほしい

しかし、移設をしたりする場合にはどうしても配線のしなおしが必要ですし、何かの拍子にはずれてしまうこともあります。

まったく困ったものです。

そもそもなぜこんなにコネクタが?

そもそも「なぜこんなにたくさんコネクタがあるのでしょうか?」と疑問に思われるかと思います。カメラとマイクとモニタとLANのケーブルだけつなげればよいのにということです。

ただ、中にはこんな機種や

Lifesize Passport

こんな機種も

SONY PCS-XC1

間違える心配がぐぐっと減ってますね。

しかし、一方でメーカーは「こんなことをしたい」「これはできないのか?」というユーザーからの声に応える必要もあるでしょうから、様々な外部機器との接続性や、設定変更に対応してきているわけです。

いろいろな機能を実現しようとすると、外部接続の端子をどんどん増やすか、複雑な設定で対応するかどちらかになっていき、どんどんユーザはわけが分からなくなる。

もちろん、専門の業者が最初は設定してくれるので快適に使えますが、ひとたび何か変えたり変わったりすると手に負えなくなるということですね。

そして設定変更する必要もないし、間違って設定が変わってしまうようなことのないシンプルな構成の機器と、いろいろなシチュエーションに応じて複雑なことをしたい場合に変更可能な機器をメーカーはラインナップで分けます。利用する側もそれを理解して使い分けるのがいいのかと思います。

それではどうしますか

最近の機器はラインナップを分けて、シンプルな機器と、拡張性を持った機器という構成が多いですが、性能的にはまだまだ問題なく使えて、丈夫で長持ちするひと昔前の機器もまだまだ活躍する場が多いと思います。

移設したり使い方を変えると間違えやすいということを頭に入れて、テプラを使ってコネクタとケーブルに同じ番号を表示させるなど間違えにくくするというのがベタなやりかたではありますが、結局はオススメかと思います。


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