モバイル環境でのテレビ会議システムの利用について

先日テレビ会議システムのレンタルを検討いただいているお客様から相談がありました。
「すぐに使いたいのですが、ブロードバンド回線がないのです。」(お客様)
「そうすると、モバイル回線くらいしかないですね。」(店長)
「それではモバイル回線でお願いします。」(お客様)

思いつきでお答えしたので、試したこともありません。。
申し訳ないですが日が無さすぎで責任もっての推奨ができず、お断りしました。ごめんなさい。。


今回はご期待に応えられませんでしたが、実際モバイルでどんな感じなのでしょうか?

モバイル環境の準備をしましょう。

なにはともあれまずはモバイル回線が必要です。
モバイルルーターとSIMを用意しましょう。

モバイルルーター NECのAterm

ルーターの機能としてはテレビ会議システムをつなぐためのLANポートの口があって、ポートフォワードの設定が可能なものが必要です。

いくつか調べてみてNECのモバイルルーターがよいのでは?と思いました。試しに買いますが、失敗したときに残念なので、少し型落ちの中古品を手配。まあ、テレビ会議では1Mbpsもあれば大丈夫なので数年前の機種でも性能的には問題ないでしょう。

機種名はPA-MS03LN3Bです。クレードルをつけるとLANの口がついています。

ルーター本体です。
クレードルにつけて使います。
背面にはLANの口があるのでテレビ会議システムをつなぎます。

SIMはインターリンクで。

モバイル回線で必要なのが固定IPです。ルーターにつないでテレビ会議システムを利用する場合にはテレビ会議システムにNAT(アドレス変換)の対応として、ルーターに付与されているグローバルIPアドレスを設定する必要があります。このグローバルIPアドレスが自動付与で変動してしまうと、その都度テレビ会議の設定を変更する必要があるので大変煩雑になります。

というわけで固定IPをもらえるプロバイダを捜したところ、インターリンク社のSIMカードが月額1,080円〜と割安だったのでこちらを契約しました。

インターリンクLTE SIM

それではテストです。

回線がそろったところで、実際につないで試してみます。テレビ会議システムはPolycom HDX8000とMacにインストールしたテレビ会議システムのPolycom Realpresence Desktopで試してみます。それぞれのテレビ会議システムにはNAT対応の設定を入れ、ルーターにはそれぞれポートフォワードの設定を行います。

インターネットを利用してテレビ会議を行う場合の設定について(NATの利用など)

テストの接続構成はこんな感じです。

接続自体は相手のグローバルIPアドレスを指定して発信するだけ。

あっけなく接続します。

ひとり寂しくテストをしているところです。。

通信状態も問題ないです。パケットロスもほとんどなし!

モバイル回線ではパケットロスや遅延が気になりましたが、今回のテストでは特に問題ありませんでした。固定回線もSIMと同じインターリンク社をプロバイダとして利用していたため、インターネット内での通信の影響を最小に抑えられた可能性が高いです。

さて、モバイル回線は使えるのか?

今回のテストですんなりいったように、条件が整っていれば問題なく利用できることがわかりました。

しかし、通信環境が良くなく、電波強度の棒が1本や2本しか立たない場所だったり、展示会など周囲で非常に多くのモバイル端末が利用される環境だったりした場合にはモバイル環境で映像までスムーズにやりとりするのは難しいと思います。

また、モバイル回線に限らずインターネットを利用してテレビ会議を行う際にはなるべく両方で同じプロバイダを利用するなど、データの遅延などが発生しにくい構成で行うことも必要になってくると思います。

正直なところ、利用しているタイミングなどで状況が変わる可能性がありますので、大事な会議を行う上でモバイル環境のみで行うのは少しリスキーなので、なんらかのバックアップはあったほうがよさそうです。


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