Web会議とテレビ会議の併用でCiscoのWebexはおすすめ!

2020年9月1日

先日テレビ会議レンタルサービスをご利用いただいたお客様からアンケートの回答をいただきました。3月にPanasonicのKX-VC1300Jという機器をご利用いただきましたが、ご要望として「Webexへの接続の情報がほしい」といただきました。(お客様の声はこちら

Webexにテレビ会議システムから接続する方法については、以前Cisco SX20という機種をレンタルいただいたお客様からの要望にあわせて調べてみたことがりました。この経緯については以下のブログの記事にて紹介させていただいております。
Webexにテレビ会議システムから接続してみました。

テレビ会議が接続できるWeb会議は?

今回とりあげるのはWebexというCisco社の提供するWeb会議と、Panasonicが販売しているテレビ会議専用機との接続です。まずは簡単にテレビ会議の専用機とWeb会議の違いや接続性について説明します。

テレビ会議の専用機

テレビ会議システムの専用機はCisco、Polycom、SONY、Lifesize、Panasonicなどのメーカーが主にH.323やSIPという規格に準拠して商品を販売してきました。メーカーや機種が異なってもH.323に準拠していれば基本的には映像・音声・資料共有などの機能がスムーズに使えます。(かなり古い機種の場合には、新しい機能に関する問題で同じメーカーの機器でもうまくいかない場合もあります。)

WEB会議の爆発的な普及

主にPCやタブレット等を利用して行うWeb会議は以前から利用が伸びてきていました。更に今年に入ってコロナウィルスの影響で在宅勤務が増えたり、出張の削減によりWeb会議の利用が激増しているのはご存知のことと思いますし、今まで使ったことがなかったけれど今や日常的に利用しているという方も多いでしょう。Zoom、Microsoft TeamsやこのWebexなど。

テレビ会議とWEB会議の相互接続はできるの?

社内で元々使ってきたテレビ会議とWEB会議をうまくつないで使いたいという要望は当然ながら広がってきています。テレビ会議は社内網で利用して、WEB会議はインターネット上で利用するという形態だと、なかなか簡単には行きませんが、テレビ会議もインターネットのグローバルIPを利用して使っているというケースでは「ちょっと両方つながらないのかい?」と思うのももっともです。

各メーカーがH.323のような国際標準規格に則って作っているテレビ会議システムと異なり、WEB会議は基本的にそれぞれのサービス提供会社が独自の方式で映像・音声・資料などをやりとりしています。
ZoomであればZoomのクライアントソフト、WebexであればWebexのクライアントでないと会議には参加できないというわけです。その代わり各サービス提供業者は独自に機能追加をしたり、性能向上をして差別化を図っているわけです。

それぞれのソフトウェアの中身はもちろん他社には秘密ですので互換性のあるクライアントソフトなどは作ることはできません。

しかし、会社で使っているテレビ会議とWEB会議をつなぎたいという要望は以前から高く、WEB会議の事業者も「テレビ会議もつながります」というのはユーザー獲得にウリになりますので対応しているサービスもいくつかあります。

テレビ会議システムから接続できるWEB会議サービス

テレビ会議システムからWEB会議に参加するのにはWeb会議サービス側でゲートウェイのメニューを用意して、テレビ会議システムはそのゲートウェイ経由でWEB会議に参加できるというやり方が一般的です。

Zoomの場合

Zoomの場合にはプロ以上のメニューのオプションにH.323/SIPルームコネクター(6,600円/月から 2020.7.27現在)があります。ポートあたりの費用とありますので、H.323/SIP対応のテレビ会議システムが同時に1つZoomの会議に参加するのにかかる費用となると思います。最大で同時に3台のテレビ会議がZoomの会議に参加する場合には3ポートの契約が必要ということですね。
以下を参照しています。
https://zoom.us/jp-jp/roomconnector.html

Zoomは3年くらい前にデモアカウントを発行してもらい、Polycom HDXシリーズとの接続は確認したことがあります。一度すでに発行してもらったせいか、もう一度お願いしてもテストアカウントは発行してもらえませんでした。
当時テストをした時はスムーズに接続できました。

Webexの場合

Cisco社のWebexの場合にはH.323/SIPのテレビ会議から接続できることをメニューを見ても見当たりません。しかし、ヘルプセンターにテレビ会議システムからの参加方法が記載されています。

ビデオシステムから Webex ミーティングに参加する
https://help.webex.com/ja-jp/7yxpa9/Join-a-Webex-Meeting-from-a-Video-System

この機能はWebexのどのプランだと使えるかがサイトを見てもわかりません。コールセンターに電話で聞いてみたところ「無料プランも含めてすべてのメニューで使えます。」とのことだったのですが無料プランではうまくいかず、有料プランのうち一番安価なStarterのメニューでは利用可能でした。おそらく有料プランであればすべて利用可能なのかと思います。
https://www.webex.com/ja/pricing/index.html

オプション費用なしで使える便利な機能にもかかわらずサービスメニューに記載されていないのは何故なのかよくわからないですが、ユーザにとっては大変ありがたいですね。

Microsoft Teamsの場合

Microsoft Teamsの場合にはサービスメニューとしてテレビ会議システムからの参加はできず、認定パートナーのサービス経由での利用となるようです。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/cloud-video-interop

認定パートナーとしてはPolycom / Pexip / Bluejeansが挙げられています。
このあたりは代理店を通さないと価格もよくわからないので費用感はわかりません。接続性は問題ないと思いますが、機器によって異なる可能性もあると思いますので関心あるかたは代理店に確認いただくのがよいと思います。

他にも

他にもテレビ会議システムが接続できるWEB会議サービスはありますが、テストも難しいので紹介はここまでとします。

Panasonicのテレビ会議からWebexへの接続できるのか?

話がようやく戻って、お客様から相談いただいた、PanasonicのKX-VC1300Jからどうやったら接続できるかです。

まずはWebexの契約から

以前に一度Webexのテストをしましたが、すでに解約していたのであらためて契約です。サービスメニューは無料プラン+有料プランが3つの4つです。現在キャンペーン中ということで有料プランも1ヶ月間は無料です。
https://www.webex.com/ja/pricing/index.html

とりあえず1ヶ月無料ですので有料プランのstarterを申し込みました。

それでは早速テスト開始

アカウントが登録できたのでWebexの会議を作成しました。
作成するとメールで会議参加の招待が送られてきます。

メールの一部

この案内に沿って、PanasonicのKX-VC1300JからWebexのH.323対応テレビ会議用のゲートウェイのIPアドレス「210.4.202.4」にダイヤルしてみます。

しかし、何度やってもゲートウェイにつながりません。。(ガッカリして写真撮り忘れました)

設定がおかしいのかと確認し、インターネット上のテレビ会議のテストサイトに接続しても問題ないのです。
さらには同じやり方でPolycom のHDX7000とGroup500でテストしたところ、問題なくWebexに参加できました。接続の方法は問題なさそうです。

念のためWebexのH.323のゲートウェイサービスの接続状況のテスト結果の資料を見つけて確認しましたが、Panasonicの機器は接続確認リストには入っていません。(ただし、これは単に試していないだけということだと思います)

そして、「KX-VC1300Jはダメなのかも。。」とあきらめました。

残念ながらうまくいきませんでした。。

こういったことは機器の相性などでうまくいかないこともあり、今回もそのパターンなのかもしれないな、と思い、質問いただいたお客様にはご連絡をいたしました。

「Panasonicの機器からの接続については試したことがなかったので、
試してみました。

やり方としてはCiscoの機器と同様に接続ポイントに接続し、その後
会議室番号とパスワードを接続するという方法になります。

しかし、結果としてそもそも接続ポイントにアクセスしても接続ポイント
に接続できず、会議室にも入ることができませんでした。

同じやり方でPolycomのGroupシリーズやHDXシリーズの機器から
接続した場合には問題なく会議室に入れましたので、何らかの通信方式
の違いなどからうまく接続できないのではないかと思います。
Panasonicの機器については通信方式の設定等の変更メニューもなく、
現状では対応が無理かなと思います。

Ciscoのサイトにある、互換性に関する情報の中にはPanasonicが
入っておらず、見込みは薄いと思います。
https://help.webex.com/ja-jp/ipxxr2/Webex-Video-Compatibility-and-Support

すると、すかさずお客様から返信が。

「メール有難うございます。

 実はあの後いろいろ試した結果、WebEXのグローバルアドレス
210.4.202.4 に H323でアクセスすれば接続できることが確認
できました。英語の様なメッセージが出て、会議番号を入力すれば
入れます。PWが必要な場合もあるようです。
 但しHDコムのリモコンでは数字と*#しか打てないので、PWは
数字にするように招待者にお願いしています。

 当社の環境で何が有効なのかも判らないのですが、一応成功
しておりこれからいろいろ活用する予定です。」

メールを見た私、「マジですか。。」 できるんだ!

再度テストしました

いくらなんでもお客様ができているのだからこちらでできないはずがありません。
設定をあれこれいじった結果、最終的には暗号化の設定を「接続性優先」から「なし」に変更したところ、うまく接続できるようになりました!

ゲートウェイのアドレスに接続し、リモコンで会議室のIDを打ち込むと、パスワード入力を要求する画面が表示され、パスワードを打ち込んだところ、ようやく会議に接続完了。ふう。

接続できたところ。Webexの画面

使い勝手も問題なし

実際会議としてはどうかと見ると、映像・音声ともに問題ありません。PCの画面共有をしてみても、Webexからの送信もOKだし、Panasonicのテレビ会議システムからもOKです。

もう一つPolycomの機器を接続して3者会議としましたが問題なさそうです。(ただし、一人でテストしているので細かい音声のチェックなどは難しく、厳密に問題ないとまでは言い切れませんけど。)

3者会議で資料送信も問題なし。テストしたのが棋聖戦の翌日。

Webexのテレビ会議システム専用機との相互接続機能は結構よさそうです

CiscoのSX20がつながるのはまあ当然といえますが、PolycomのHDXシリーズ、Groupシリーズも問題なく接続できますし、Cisco側ではテストしてなさそうなPanasonicのテレビ会議システムも接続可能。

国際標準のH.323に準拠しているので当然そうなりそうではありますが、Web会議のオプション機能(Webexの場合には標準機能ですか?)としては安心できるところですね。

そしてなんといってもオプション費用がかからずにテレビ会議システムが参加できるというのは非常に素晴らしいですね!
特に使う予定もないですが、思わず年間契約してしましました。(Zoomも年間契約しているのに。。)

唯一気になるのはなぜかWebexの機能一覧に載っていないという点です。
テストではテレビ会議システムが2拠点接続しても問題なさそうでしたが、一体いくつまでつながるのでしょうか?
また、機能一覧に載っていないのはいつか提供をやめてしまってもアナウンスしなくてもいいから?などと邪推もしてしまいました。(私の確認もれや勘違いでしたらすみません)

どうかこれからも続けてほしいサービスメニューだと思いました。

注意事項(2020.9.1追記)
インターネット回線を利用してテレビ会議システムを行えている場合(インターネットVPNは除く)にはWebexのゲートウェイに接続することはそれほど難しくないですが、社内網やインターネットVPNを利用してテレビ会議を行っていて、インターネットに接続しているテレビ会議との通信を行っていないような場合にはWebexへの接続は特別な装置や設定が必要な場合があり、あまり簡単にはできないのでご注意ください。



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